About us

音の革新は、目黒の小さな研究所から始まった。

1948年——中道悦郎氏が設立した「千代田理研株式会社」。
それが、後に“Nakamichi”として世界を驚かせる伝説の始まりでした。

松下電器、三洋電機、パイオニア、ハーマン…。
世界を代表する企業がこぞって頼った、テープレコーダー開発のプロフェッショナル集団。
政府機関や大学、研究機関とも連携し、常に“音”の未来を追求してきました。

世界を驚かせた、Nakamichiの“音の革命”。

研究所から生まれたNakamichiは、やがて世界が認めるハイエンドオーディオブランドへと成長します。
世界初の3ヘッドカセットデッキ「Nakamichi 1000」。
そして、常識を覆した“テープを回転させる”オートリバース機構。

その技術革新は、トヨタの最高峰・レクサスLS400や、伝説のスーパーカー・ブガッティEB110にも搭載されるほど。
Nakamichiは“音”を超えた、“感動”を創り出すブランドでした。

ブランドの信条と終焉

創業以来、Nakamichiは、科学への探求、音への情熱、そして妥協なきクオリティ。を信条として歩み続けてきました。
その革新の軌跡は、数々の名機として今も語り継がれています。

しかし、2002年——情熱の火を灯し続けたブランドは、惜しまれつつ歴史に幕を下ろしました。
それから23年。
Nakamichiの名は今もなお、多くのファンの心に生き続けています。

完全再生”はできなくても、魂を受け継ぐことはできる。

かつて存在した多くの日本ブランドが、現在ではアジアの事業者によって再び市場に登場しています。
私たちのNakamichiも例外ではなく、数多くの低価格製品が世界中で販売されています。

こうした状況の中で、「Nakamichi ELITE」シリーズを母国である日本市場に導入するにあたり、激しい議論がありました。
日本人スタッフや販売店様は「今のNakamichiというブランド」が、例えNakamichi ELITEシリーズ製品が優れていたとしても、「足枷せ」になると考えたからです。

時代は変わり、音のかたちも変わった。

アナログテープはデジタルストレージへ、音楽制作もサンプル音源とDAWアプリで行われるようになりました。
私たちはかつてのNakamichi製品や音をそのまま再現することはできません。
当時のエンジニアも、基幹となるアナログ部品も、もはや存在しないからです。
Nakamichi品質のテープデッキを再開発することは不可能です。

それでも、2025年——私たちは3つの新たなアクションを少しずつ始めました。

1. 平面磁性体(PLANAR)ユニットの独自開発

オリジナル平面磁性体ユニットは、スコットランドやアメリカの銘機に搭載されるスピーカーユニット生産国である中国の、最新技術により開発されています。

2. 日本での上級ヘッドホン製品アセンブル

日本での最終工程を担うことにより、“見えない部分”での品質向上を実現します。
たとえ海外生産が主であっても、最後の「ひと磨き」を日本で行うことで、製品に魂を込めています。

3. 日本人スタッフによるマーケティングとPR

お客様とのコミュニケーションは、主にインターネット上で行われます。
SNSやWebサイトのテキストが正しい日本語であることは、製品への信頼と安心感を支える大切な要素です。
そのため、私たちは中国拠点に日本語対応スタッフを置き、日本国内では日本人スタッフがプロダクトマネジメントを担当しています。

再創造、それが私たちのNakamichi。

Nakamichi ELITEシリーズは、かつてのNakamichi製品とは異なる存在かもしれません。
しかし、創業時のスピリッツを胸に、令和のテクノロジーで新たな命を吹き込みます。

私たちは“懐古”ではなく、“再創造”を目指しています。
Nakamichiという名のもとに、新しい“音の感動”を生み出すために。

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